ずっと音楽に夢中

身も心も解放してくれる素敵な音楽に出会ったら、興奮さめやらぬうちに書きつづります。あれこれ書きますが、結論はすべて「音楽っていいな」です。

小沢健二がDJみそしるとMCごはんを評価する理由

「今、気になる日本のアーティストは?」
昨年、クリス・ぺプラーのラジオに出演した小沢健二は、その質問にDJみそしるとMCごはん」と即答しました。
かわいがってる後輩のceroあたりを挙げるだろうと予想していたので意外な気がしましたが、よく考えたら小沢健二DJみそしるとMCごはんを評価するのは至極当然のことです。

「お茶の間のもの」でなかったヒップホップ

話は1989年に遡ります。
この年、ライターの川勝正幸はデビューが決まっていたスチャダラパーを取り上げて「日本のヒップホップをお茶の間のものにするのはスチャダラパーかもしれぬ」と
書きました(「ポップ中毒者の手記(約10年分)」)。
この一行だけでも、その頃の日本でヒップホップが一般に浸透していなかったかがよくわかります。
ヒップホップは大衆的でなくマニア向けの音楽でした。
川勝さんの予言は的中し、その後、スチャダラパーはブレイクを果たします。
きっかけとなったのは「今夜はブギー・バック」。

今夜はブギー・バック」のヒットでJヒップホップはメジャーに

1994年3月9日に小沢健二メインにスチャダラパーをフィーチャーした「今夜はブギー・バック (nice vocal)」と、スチャダラパーメインに小沢健二をフィーチャーした「今夜はブギー・バック (smooth rap)」の2バージョンをそれぞれ別の所属レコード会社から同時リリース。あわせて50万枚超の売り上げを記録します。
この大ヒットで、それまでマニア向けの音楽だったヒップホップは一気にメジャーになりました。
「ブギーバック」はヒップホップをポップスのフィールドに呼び込みました。
日本でそれまで分離していたラップとポップスを引っ付けたのです。

Jヒップホップの発展と多様化

その後、日本のヒップホップは発展を遂げていきますが、どんどん専門的で技巧的になってまたポップスから離れていきます。
90年代後半はミクスチャ―で盛り上がったものの、00年代半ばにはガラパゴス化が指摘されるようになりました。
 
10年代に現れたDJみそしるとMCごはん(以降略称「おみそはん」)は、いかつく進化した日本のラップとは違うバトルしない、誰も傷つけないラップを展開していきます。
 
レシピをラップに乗せて料理を披露するというパフォーマンスが支持され、NHKの「ごちそんぐDJ」という番組も持ち、もっともお茶の間に近いラッパーとなりました。
小沢健二スチャダラパーのタッグよろしく、おみそはんは、ふたたび離れてしまったヒップホップをポップスのフィールドへと引き戻す役割を果たします。
小沢健二は、そんなおみそはんのスタンスに共感したのではないでしょうか。
 
おみそはんはアルバム「コメニケーション」でスチャダラのSHINCOと共演しました。
オザケン、おみそはんのコラボソングが実現される日もそう遠くないかもしれません。


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